宝塚歌劇では原作へのリスペクトを常に感じる…漫画家の芦原妃名子先生の訃報で思うこと

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昨日になりますけど、
大変悲しい事件が起きました

 

漫画家の芦原妃名子先生の訃報です
自ら命を絶ったということですが、
先日よりSNSで注目されていた矢先の出来事とのこと

 

私はめちゃくちゃ多忙だったので、
詳細については後から知ったため、
当時の出来事についてはオンタイムで知ることが出来ませんでした

 

このことで思ったのは、
原作者の作品の想いをしっかりと受け止め、
リスペクトをすることが何よりも大事だと感じました

 

今回はそのようなことを語ります

 

ここから先は、
いつも通りの私のメモなので、
いろんな意見があるんだなぁ、と、
ご理解のいただける方のみ、どうぞ!

 

宝塚歌劇にも漫画原作・版権ものがたくさんある

ご存知のとおり、
我らの宝塚歌劇団でも、
2.5次元ものとして、
漫画原作ものや、
ゲーム、本などの原作ものを上演することが多々あります

 

今現在も星組で上演中の『RRR』はインド映画が原作ですし、
これから上映予定の宙組『FINAL FANTASY XVI』は世界的に有名なゲームが原作です

 

過去にもたくさんありますよね
現トップスターもたくさんの原作ものの主演をしてきています
比較のために宙組は前任を明記します

・柚香光:『はいからさんが通る』『花より男子』『鴛鴦歌合戦』
・月城かなと:『今夜、ロマンス劇場で』『グレート・ギャツビー』『応天の門』
・彩風咲奈:『CITY HUNTER』『夢介千両みやげ』『蒼穹の昴』
・礼真琴:『エル・アルコン-鷹-』『モンテ・クリスト伯』『柳生忍法帖』『ディミトリ』
・真風涼帆:『天は赤い河のほとり』『オーシャンズ11』 『HiGH&LOW』『カジノ・ロワイヤル』

 

結構ありますよね

 

そこで振り返りますけど、
宝塚歌劇の場合は、
とても上手く舞台に落とし込んでいる印象があります

 

主人公とヒロインの恋を描かなければならないという暗黙のルールがあるため、
『モンテ・クリスト伯』のラストは原作と異なるラストになってしまってますが、
そこは許容範囲なのでしょう
原作は古典の名作ですし、いろんな解釈の1つの範囲だと思います

 

また、上記には明記してませんけど、
明日海りおさん主演『ポーの一族』は当時大きなムーブメントになってましたよね

 

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近年の大成功の事例は柚香光&明日海りお3本

まずは上記の中で、
ヅカファンの乙女心を鷲掴みにし、
今でも心に刻まれている作品といえば、
『はいからさんが通る』『花より男子』『ポーの一族』でしょう

 

この3作品は、
原作の熱烈なファンも多く、
ある種伝説と化した少女漫画の金字塔的な名作です
その時代時代に応じた名作ですよね

 

それを舞台化するとなれば、
主人公をはじめとする登場人物には、
それなりの再現度が求められます

 

それを見事に体現し、
原作ファンも納得させたのがこの3作品ではないでしょうか

 

そこには、
演出家の先生も原作ファンをガッカリさせないようにと、
最善の努力をされたことも功を奏したと思っています

 

ここが大きなポイントだと思っています
宝塚歌劇団では、
原作側を非常に大事にしている印象があるからです

 

決して、
「自分たちがこの作品を有名にしてやる」というような、
驕った態度は見たことがありません

 

そして、全力でその作品のイメージを損なわないように、
構成や演出を考えていると感じてます

 

2.5次元を体現させるだけではダメですよね
ちゃんとした脚本、そして舞台上の演出も必要で、
それらが見事に合致した結果、
ヅカファンの記憶に残る名作となったと感じます

 

そこには、
「原作への愛情」を深く感じられました
並々ならぬ覚悟も感じられました

 

だからこそ、
原作ファンも納得をしていただける出来栄えとなり、
それも評価に繋がったと感じます

 

当ブログのアンケート結果でも、
原作ファンの方が初めて宝塚歌劇を観たという方からも、
とても高い評価をいただけてました

 

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原作リスペクトを凄く感じた宝塚歌劇の作品…『CITY HUNTER』の場合

上記にあげたトップスターの作品を振り返っても、
作品の質や評判、評価は別にして、
とても原作をリスペクトしているというのは感じられます

 

過去のジェンヌさんや演出家の先生方の対談やコメントを見ても、
すごく原作の世界観や作りあげた原作の先生方を尊敬しているという姿勢を感じられます

 

例えば、
ヅカファンの評価が賛否真っ二つになってしまった『CITY HUNTER』ですが、
これを演出した齋藤吉正先生から、
『CITY HUNTER』への溢れんばかりの愛情を感じてました

 

これが宝塚歌劇にふさわしい題材だったのかは評価が分かれるところではありますが、
少なくとも原作ファンには好評でした
原作の世界観を崩すことなく、
また主人公の冴羽リョウも下品な部分をギリギリ持ちつつも、
やる時にはやるカッコいい男として描かれてました

 

原作クラッシャーではないんですよね
そこが齋藤先生の良さでもあり、
憎めない部分だと感じます

 

この作品の上演が決定した後、
原作側の北条司先生サイドからも後押しがありましたし、
劇団のHP上でも楽しいページが作成されて、
『CITY HUNTER』を宝塚歌劇で成功させるんだという意気込みも感じました

 

『CITY HUNTER』の世界観を壊すことなく、
これだけ原作への愛は強いと微笑ましいという最高の事例ではないでしょうか

 

彩風咲奈といえば『蒼穹の昴』もよかった

また彩風咲奈さん主演といえば、『蒼穹の昴』です

 

これは原田諒先生があんなことになってしまったので、
語られづらくなってしまいましたけど、
主人公を本来の春児ではなく、文秀に変更しての上演でした

 

だいたい主人公を改変するとロクな結末にはならないのですが、
この作品は上手く落とし込みましたよね

 

もしかして、ですけど、
朝美絢さんがトップになった際に、
春児を主人公としたものを作りあげようとしていたのでは、と深読みするほどでした

 

そうなれば、『蒼穹の昴』二部作として壮大な舞台となったのかもしれません
返す返すも惜しい…
しかもたぶんですけど、芸術祭も逃してしまったという…

 

春児主人公で再び説は出てないので、
あくまでもワタクシの妄想でしかありませんが…

 

でも、この『蒼穹の昴』は、
原作をとても大事に描かれていたのは間違いありません

 

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宝塚の演出家は原作を愛してリスペクトしていると感じられる

原作者も舞台化により、
作品に注目されるというメリットがありますし、
ヅカファンは事前に原作に触れようとする習性があるため、
非常に親和性が高いと思います

 

とはいえ、
それで原作の先生方が作りあげたものをないがしろにするようなことは、
決してあってはならないというのが根底に見受けられます

 

どの作品を見ても、
とても素敵に落とし込んでますよね

 

多少の設定違いがあったにせよ、
原作の雰囲気をぶちこわしたり、
嫌な気持ちにさせるような作品はほとんど見受けられません

 

上記にあげた最近の原作ものについては、
すべて合格なのではないでしょうか

 

個人的な好みで、
好き嫌いはあるでしょうけど、
原作クラッシャーとするような作品はないと感じています

 

そこが宝塚歌劇の良さですよね

 

敬意を表するというのも、
清く正しく美しくの伝統に添っていると感じます

 

悲しい事件の後、
その伝統が霞むことが多々あり、より悲しくなってましたけど、
この点は素晴らしいのではないでしょうか

 

宝塚歌劇団においては、
原作をお借りしての上演であれば、
最大限にその原作をリスペクトし
出来る限り最高のものをお届けするという意気込みも感じるわけです

 

今回の一連の事件では、
原作者の先生へのリスペクトが全く感じられない言動が、
ドラマ制作側にあったのではないかと私的には感じます

 

やはり作品をお借りしているという気持ちを胸に、
よりその作品を愛してもらえるような相乗効果を持てるような関係性が大事ではないでしょうか

 

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