月組『フリューゲル』は月城かなと海乃美月にピッタリな配役&感動の涙…『万華鏡百景色』は思っていたのと違ってた

月組



昨日(日付変わってますが…23日です)はやはり更新は無理でした…(^_^;)
そこはことなく、
「遠出します」的な感じで匂わせてましたが、
たくさん遊んで、たくさん食べて、たくさん飲んで、
帰宅した時にはヘロヘロ状態でした…
たまにはそういう日もありますよねw
シルバーウィークのラストでしたし…(1日午後休なだけで特にお休みではなかったですが…)

 

いいリフレッシュが出来ました!

 

さて、本日ですが、
月組本公演
『フリューゲル -君がくれた翼-』
『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』の宝塚大劇場の千秋楽でした

 

ライブ配信を視聴しましたので、
サクッと感想を綴っておきます

 

ネタバレがめちゃくちゃ多くなりますので、
大丈夫な方のみお付き合いください

 

お花渡しについてはこちらになります

月組『フリューゲル』の退団者3名へのお花渡し…蓮つかさはれい海トップコンビから受け取る

 

よろしければ、合わせてご閲覧ください

 

ここから先は、
いつも通りの私のメモなので、
いろんな意見があるんだなぁ、と、
ご理解のいただける方のみ、どうぞ!

 

『フリューゲル』はれい海に似合っている良いサイトーだった

まずは『フリューゲル』全体について触れておきます

 

脚本・演出は、
振り幅がとてつもない齋藤吉正先生…(^_^;)

 

基本的には、
お芝居でそんなにだ…残念な作品を連発する先生ではありませんが、
目が飛び出るほど凄まじい残念っぷりを発揮することもあるのが特徴です

 

私的には、
割とサイトー先生の作る作品は好きなのですが、
さすがに月組の『夢現無双』は開いた口が塞がらなかったです…(◎_◎;)

 

今思い出しても、
武蔵の棒読み…
お通のタケゾウサン…
小次郎の通行人A…
いいところが何一つなかった凄まじいだ…「だ」な作品でした
衝撃的な作品でしたよ、悪い意味で…

 

齋藤先生の1つ前の大劇場作品は『CITY HUNTER』です
これも賛否両論でしたよね
私的には、面白かったですけど、
ごちゃごちゃしていた感は否めません

 

ちなみに、
同じく賛否両論だった、
キキちゃん(芹香斗亜さん)主演『MY HERO』は、
大好きでした…
あれ、めちゃくちゃ泣いたんですよね…

 

これが私的な齋藤先生のボーダーだと思います
良いサイトーと悪いサイトーのボーダーですねw

 

今回の『フリューゲル』は、
まさに『MY HERO』っぽさな明るく軽いノリがありつつ、
東西ドイツの壁が壊れたという歴史的な大きな激変を絡めたお話でした

 

よくまとまっていたと思います

 

サイトー先生にありがちなごちゃつき感は否めませんし、
人数多くてバタバタしているところは相変わらずでしたけど、
ラストのコンサートから壁が壊れるまでの盛り上がりと、
母の悲しい運命と、
子が受け入れて理解するところは心に響きまくりました…

 

何よりもキャラクターへの宛書がドンピシャでしたね

 

れいこさん(月城かなとさん)が有能で真面目ながらも、
ヒロインに振り回されつつ、
自分の正義に気づいていくというキャラが、
演技派なれいこさんにはピッタリでした

 

海ちゃん(海乃美月さん)も、
上から目線の大人キャラはまさに十八番ですよね
それでいて優しい女性…

 

ちなつくん(鳳月杏さん)の冷徹ぶりも十八番!

 

他にもキャラクターを、
全員ピッタリ当てはめていたのが素晴らしかった!
だからこそ、
共感しやく感情移入がしやすかったのだと思います

 

『フリューゲル』のメインテーマも印象的でしたし、
使い方が見事だったと思います

 

今回は良いサイトー作品でした

 

スポンサーリンク

正統派な月城かなとを堪能

前回の別箱『DEATH TAKES A HOLIDAY』は、
れいこさんにドンピシャな役でしたけど、
その前の『応天の門』 は、
非常にもったいない設定でした

 

れいこさんは演技が上手いので、
『応天の門』でも違和感はなかったのですが、
「見たい月城かなと」ではなかったんですよね…
少年・月城かなとではなく、
青年・月城かなとがいいので…

 

そういう意味では、
まず裏切っていなかったのがよかったです
観客が見たい月城かなとでしたから…

 

割とテンポよくコミカルに進んでいくストーリーですが、
歴史的な背景では暗く厳しい東ドイツが舞台で、
その中で懸命に生きているヨナス

 

そんなヨナスには、
大きな心の傷がありました
それが母・エミリアがナチス残党だったということ…

 

大好きだった母親が、
ナチスと知った時の絶望感から、
愛情から憎しみに変わったわけです

 

そういう心の傷を負ったヨナスは、
普段はそんなことを表には出さず、
軍のために働いているわけですが、
世界的なポップスター・ナディアとの出会いを経て、
勇気と希望を持って、東西統一へと突き進む

 

ヒロインに振り回されっぱなしのヨナスを、
れいこさんらしく演じており、
二人の距離感が縮まっていく様もよかったです

 

何よりもラストの母・エミリアとの再会…

 

心が壊れてしまったと見えるエミリアが、
愛する小さな息子のことだけはずっと心に留めており、
成長したヨナスに肌でなんとなく感じているところは、
切なくもあり、悲しくもあり、
でも心は繋がったであろう余韻もあり…

 

ヨナスとエミリアの関係は、
母の記憶が蘇って大団円というご都合主義的なところがなかったのが、
より感情移入がしやすかったです

 

このあたりの表現力はさすがでした…

 

スポンサーリンク

海乃美月は『応天の門』以来の当たり役

続いては、
ヒロイン・ナディアを演じた海ちゃん

 

海ちゃん上手い!
さすがですよね

 

前回の『DEATH TAKES A HOLIDAY』では、
年齢設定に「?」しかなく、
違和感ありまくりでしたけど、
海ちゃんの良さが発揮できるのは、
ナディアのような強く逞しく、包容力のある年上の女性味があるキャラでしょう

 

前回の本公演『応天の門』の昭姫は、
海ちゃんの当たり役でしたし、
場の空気といい、舞台を圧倒する力といい、
強いヒロインでした

 

上記で駄作として取り上げた『夢現無双』でも、
吉野太夫の海ちゃんは素晴らしかった…
れいこさんの又八もよかったので、
れい海コンビは『夢現無双』を救った貴重なキャラでしたね…(^_^;)

 

そんなわけで圧倒される迫力のある女性が、
海ちゃんに一番ハマリます

 

これこそが海乃美月の良さが最大限に発揮されるキャラです

 

今回のナディアの年齢設定は不明ですけど、
世界的ポップスターという地位に昇りつめた女王的存在
なので、
年齢関係なく女王様気質があるところが、
海ちゃんにドンピシャでした

 

自由奔放で、
自分に絶対的な自信があり、
周りを振り回している感がありつつも、
いろんなことを吸収できる素直さを持っているので、
東ドイツの現実に心を痛める様は見事でした

 

自分の意志を持ったポップスターだからこそ、
コンサートでの迷いがない選択はまさにスーパースター

 

れい海の魅力が詰まった主人公とヒロインのコンビでした

 

海ちゃんには全く関係ないですけど、
衣装の「?」は凄かったですが、
だんだんと良さげな衣装になっていったのはよかったです

 

ヨナスが「ファッションリーダー」と評されるナディアに、
正論を言ったのはお見事でしたw
なんだ、サイトー先生はわざとあんな衣装にしたんですね、と思ったほどw

 

だんだんとまともになっていく衣装は、
ナディアの心の浄化なのか、
ヨナスから見たナディアへの評価の変化なのかはわかりませんが、
そういう風に見るとまた一興

 

歌姫ではなくポップスターとしたところもよかったですし、
とにかく海ちゃんは素晴らしかったです

 

悪役の鳳月杏のダークなカッコよさ

続いては、
ヘルムート役のちなつくん(鳳月杏さん)

 

いや~、
ちなつくんはこういう役がドハマリしますよね

 

まさに敵も敵、めちゃくちゃな悪側なのですが、
そこを振り切って演じているので、
やはり輝きが違います
以前から言ってますけど、
ちなつくんにはスターの輝きがありますよね

 

決してダンサーでもなく、
超絶歌うまではありませんけど、
キラキラと輝く度合いは月組の真ん中らへんの中ではピカイチだと思っています
独特なカリスマ性があるのが魅力です
そのカリスマ性を遺憾なく発揮できたのがヘルムートでしょう

 

最後の最後まで悪に徹したヘルムート
彼自身の信念がしっかりと伝わる演技でした

 

スポンサーリンク

コミカルで軽快な風間柚乃

ルイス役は3番手のゆのくん(風間柚乃さん)
コミカルで明るくて人当りのいいルイスですけど、
登場してすぐに、
盗聴器を次々と見つけていくところなんて、
「タダ者ではない」感が凄まじかったです

 

明るい役を演じても、
文句なく上手いのがゆのくん
本当に安定していますよね
実力だけで言えば、
とっくに研18とか研19とか言われてもおかしくないレベルです

 

今回はキーマンとしても大活躍

 

そして、
ショーでも頑張ってましたよね
れいこさんがめちゃ踊ってると思ったところがあってビックリでした
実はゆのくんという…

 

月組の「芝居」の部分の要としては、
順調に経験を積み上げてます
頼もしい限り

 

白雪さち花が素晴らしすぎた!

次は、エミリア役のさちかちゃん(白雪さち花さん)

 

さちかちゃんといえば、
割と大袈裟なキャラを演じることが多いですけど、
今回のような抑えたキャラも本当に上手いんですよね
『瑠璃色の刻』のアントワネットなんて最高でしたし…

 

エミリアはヨナスの母ですが、
ナチス時代での軍人でもありました
そのことが彼女を追い詰めたのでしょう
ホロコースト行きにさせられるユダヤ人を助けてはいましたが、
おそらく心のバランスが保てなかったのではないでしょうか
車椅子に乗った彼女は精神が破壊されてしまったかのように見えました
さらに愛する息子とも引き離されて、
どれほどの辛い現実を見てきたのか…
見ている側も胸が張り裂けそうになります

 

その時間経過や心情を、
わずかな場面で演じきったさちかちゃん
この作品の軸の1つは、
ヨナスとエミリアの関係と置かれた立場にあると思います
それを上手に表現されていました
歌も美しかった…

 

スポンサーリンク

気になったキャラ

ここからは一言ずつ触れていきます

 

ミク役のみちるちゃん(彩みちるさん)と、
マリア役のみかこちゃん(羽音みかさん)のスパイレディ
これが何とも言えないくらいダメダメっぷりを見せつけてましたけど、
実はちゃんと仕事が出来る凄腕なわけです
そのあたりはサクッと表現されていただけですけど、
ちゃんと報われてましたねw
コードネーム「ちるちるみちる」が可愛かったです

 

サーシャ役のあましちゃん(天紫珠李さん)
顔がフードで見えなくなっていたのが気の毒ですが、
最初にインパクトのある役でした
逃げるところまではドラマチックでしたけど、
ラストに感動的な再会あったらよりよかった気もします…

 

トーマ役のぱるくん(礼華はるさん)
冷酷でダークな役が似合いそうな感があるぱるくんですけど、
こういう明るくコミカルな役もいいですね
新たな礼華はるという感じがしてよかったです
立場を理解して、突き進んでいるのも感じます

 

ゲッツェ役のあみちゃん(彩海せらさん)
迷いがある軍人役が上手かったですね
でも、悪役に徹した冷酷なあみちゃんも見てみたかったかも
新たな演技力開花になったような気がするので、
そこはもったいなかった感じがします

 

ノーラ役のおはねちゃん(きよら羽龍さん)
その他大勢の1人を演じてましたが、
カメラが抜いてくれたおかげでわかりやすかったのが救い
宙組ではご活躍できますように…

 

クララ役のまのんちゃん(花妃舞音さん)
アナウンサーということでいつ出てくるのかなと思いましたが、
わずかな登場
でもアニメ声がだいぶ克服されていたような気がしたので、
そこは収穫だと思います

 

ショー『万華鏡百景色』は思っていたのと大幅に違った

最後はショー『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』について触れておきます

 

栗田優香先生の大劇場デビュー作となったのが、
今回のショーなのですが、
『フリューゲル』の劇中でもツッコまれてましたが、
『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』なんですよね
ワタクシ、今日の今日まで「まんげきょう」と思ってました(笑)
()内を全く見てなかったという…(^_^;)
ありがとう、れいこさん!(笑)←

 

今回のショーっててっきり和物ショーなのだと勘違いしてました
「まんげきょう」に続いての大きな勘違いw(^_^;)

 

そのため、
「あれ?違う」と思ったのが、
谷貴矢先生の『元禄バロックロック』を彷彿させるオープニングから感じました

 

芝居仕立てなところもありつつ、
ニュー日本的な和物テイストもあいつつ、
前半はよかったと思います

 

見どころは鹿鳴館と地獄変でした
ここはすごくよかったです
栗田先生的にもオープニングの次に力が入ったところではないでしょうか

 

そして、
中盤からはシティポップな時間に…

 

今世界中で評価され、
人気の高いシティポップを持ってきたところはセンスを感じますけど、
前半の和テイストからのシティポップでは違和感が凄かったです
選曲も悪くはなかったのですが、
なんか中だるみ感が凄かったです…
なんだろう?
選曲もいいですし、
歌もよかったですし、
月組生がたくさん出てくるんですけど、
なんかボーっと見ていたというか…(´・ω・`)

 

前半に比べて、
あっさり風味だったように感じるんですよね

 

なんかぶつ切りされたような感じがするのですが、
「だから万華鏡だよ」だと言われればそうなのかもしれません

 

気がついたら、
れい海のデュエットダンスになっていてビックリでした…(^_^;)

 

シティポップでよかったのは、
ぱるあみの若手場面と、
れんこん(蓮つかささん)がフィーチャーされたところです

 

そういえば、
退団者への贐の場面ってれんこんフィーチャーのところだったんですかね?
そこもなんだか消化不良でした

 

ショーとしては悪くはないと思いますけど、
前半と後半の別物感が受け入れられるかどうかによって、
評価が変わりそうだとは思いました

 

私的には栗田先生なので、
期待が絶大だった分、肩透かしも大きかったです

 

今の月組に似合っているかといえば、
芝居仕立て風な感じがあって似合っていたと思いますので、
そういう意味ではよく出来ていたのだと思います

 

生観劇をすればまた変わってくると思いますので、
東京で観劇するのを楽しみにしております

 

かなり駆け足でしたが、以上です

 

あくまでも私的に感じたことですので、
そこはご理解ください

 

参加しています!

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

 

【関連記事】
月組『フリューゲル』の退団者3名へのお花渡し…蓮つかさはれい海トップコンビから受け取る

月城かなと&海乃美月の構図が面白い…月組『フリューゲル』の先行画像は齋藤吉正のクセが強い

 

コメント