『I AM FROM AUSTRIA』…珠城りょうにピッタリの役なのに吸引力がなかった理由

月組



本日は、
月組さんの本公演、
『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』の感想です

 

いつも通り、
語りたいことがあるので、
さくらちゃん(美園さくらさん)と、
れいこさん(月城かなとさん)とキャストについては、
別途語ると思います

 

今回は、
作品全体と、
主にたまきちくん(珠城りょうさん)がメインとなります

 

ここからは、
いつも通りの私の感想メモになります

 

アンケート集計でもお伝えしてますが、
観劇感想は、
100人いたら100通りの感想、評価があるのは当然です

 

いろんな意見があるんだなぁと、
ご理解のいただける方のみ、どうぞ!

 

主人公ジョージは珠城りょうにピッタリ!

今回の『I AM FROM AUSTRIA』の主人公、
ジョージは、
たまきちくんにピッタリの役でした!

 

私がたまきちくんが歴代演じた役で、
1番のハマり役で高評価をしているのは、
『カンパニー』の青柳誠二役です

 

私のイメージするたまきちくんに、
青柳という役がピッタリだったからです

 

優しくて、
思いやりがあって、
包容力があって、
地味で無骨なんだけど、コツコツ頑張る…

 

そういうイメージがたまきちくんにはあるので、
青柳という役は、本当にピッタリでした

 

たまきちくんも、
自身と重なる部分が多いのか、
とても自然に演じられていたように思います

 

元々演技に、
幅があるタイプではないたまきちくん
そのため役幅が狭いのが難点です

 

それであれば、
ワンパターンになるにせよ、
良いところを引き延ばした方がいいと、
常々感じてました

 

今回のジョージは、
まさに青柳パターンでした!
それがいい!

 

すごく温かみのある好青年の役を、
たまきちくんはのびのび演じられていたと思います

 

役に関しては、私は大満足です!

 

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『I AM FROM AUSTRIA』の問題は作品そのものが宝塚歌劇には合っていないこと

『I AM FROM AUSTRIA』は、
真ん中の配役はピッタリだったと思います

 

歌唱力抜群で、
ゴージャスな役を演じられる、さくらちゃん

 

イケすかないイケメンの悪者を演じられる、れいこさん

 

たまきちくん合わせて、
トリデンテの3人の配役が合っていたと思います

 

では、なにがダメだったのか…

 

この作品が、
宝塚歌劇のスターシステムに合っていなかったことと、
歌の演目であったこと
この2点が問題だったと感じます

 

宝塚は良くも悪くもスターシステムありきの劇団なので、
スターの活躍が大事になってきます

 

ありちゃん(暁千星さん)は、
目立つ役ではありますが、
歌えるのに歌がワンフレーズくらいで歌わないし、
出番も1幕ほとんどなし…(^_^;)

 

味わい深いからんくん(千海華蘭さん)や、
貴公子なゆりちゃん(紫門ゆりやさん)
芸達者なるねくん(夢奈瑠音さん)など、
ほとんどその他大勢…

 

目立つ役はほぼ出ずっぱりですけど、
目立たない役は、ほぼ埋もれているという…

 

目立つ役が、
老け役が多かったせいもあるのでしょうけど、
寂しさを感じました

 

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歌唱力が必要なミュージカルなのにそこを「売り」に出来なかった

また、
宝塚歌劇はトップコンビがメインなので、
歌唱力に問題があるトップスターや、
トップ娘役がいる場合、
歌の演目は非常に不利になります

 

『I AM FROM AUSTRIA』も歌が多い!

 

さくらちゃんがほぼメインで歌っているので、
そこは素晴らしく難なくクリアでした

 

ですが、
ほぼ同じように歌の多いたまきちくんが、
歌唱力がないので、
とても大きなマイナスになってました

 

これが『エリザベート』のような、
キャラクターありきのミュージカルであれば、
役へのなりきり度や、
スター性、カリスマ性で補えるのですが、
主人公は普通の青年です

 

これには、
コスプレ能力を発揮することもできません

 

そのため、
楽曲で酔いしれるところが、
ウットリできないというジレンマに陥るのです…

 

これが大きな残念ポイントになってました

 

主役は美園さくらだった!もはやどちらが主人公かわからない作品!

『I AM FROM AUSTRIA』は、
完全に主人公は、さくらちゃん演じるエマです

 

本編はもちろんですけど、
宝塚歌劇版を見ても、
さくらちゃんが主人公でした…(^_^;)

 

そのミスマッチ感を払拭することが出来なかったのが、
とても大きかったです

 

たまきちくんは、
自然体の演技で頑張ってましたけど、
さくらちゃんのエマを超えるには、
さくらちゃん以上の歌唱力が必要でした

 

かといって、
たまきちくんの歌を減らすわけにもいきません
減らせば、
存在感が、ますますエマに負けてしまうからです

 

主人公のジョージは、
演技力で凌駕できる役ではないので、
そこも宝塚歌劇には合っていなかったように感じます

 

もはや、
齋藤吉正先生が、
どうにかできるレベルのお話ではないでしょう
齋藤先生は、十分頑張っていたと思いますので…

 

 

宝塚歌劇団は、
トップスターを頂点とした劇団です
トップスターが、
主役を演じなければならない劇団なのです

 

『エリザベート』もそうですけど、
なぜ女性が主人公の演目を、
わざわざ宝塚歌劇団に持って来るのでしょうか

 

それがすべての元凶に思えるのです

 

これでは、
『アナスタシア』も先が思いやられます…(^_^;)

 

救いは、
ゆりかさん(真風涼帆さん)には、
まどかちゃん(星風まどかさん)歌唱力に匹敵するほどの、
怖ろしいスターオーラがあることかな

 

それで押し切るような感じがしています
それだけ、
ゆりかさんのカリスマオーラは凄まじいですから…

 

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『I AM FROM AUSTRIA』の成功の鍵は演者!

あくまでも私的にですけど、
『I AM FROM AUSTRIA』は、
正直、そんなに魅力を感じませんでした

 

さくらちゃんには感動したので、
そこはよかったです

 

でも、
1回観れば満足かな、というレベルです

 

たぶん、
この作品は、
地元のオーストリアで上演するからこそ、
盛り上がる演目なんだと思います

 

オーストリアが素晴らしい、という想いが、
観ている側に、
そこまでの共感する力がないのです
素敵な国だよね、で終わってしまうという…
そこが1回でいい、
という満足になってしまいました

 

ハッピーエンドで楽しかった!
よかったよね♪
…という満足が大きいのですが、
1回で大満足なので、
もう1度リピートしたいとまでは思わせないのです

 

満足なのに、
リピートがないというジレンマ…

 

難しいですよね、この辺りのさじ加減が…

 

 

おそらく、
感動がないからだと思います

 

この作品の場合、
楽曲が素晴らしいので、
やはり歌声で感動を与えられるはずなのです

 

宝塚歌劇で、
この演目を成功させるのであれば、
たまさくではなく、
だいきほにやらせるべきでした

 

だいもんさんが、
たまきちくんほどの、
可愛らしいお坊ちゃま感が出せるかはわかりませんけど、
少なくても『壬生義士伝』では、
演技力があることを示してくれました

 

ある程度のお坊ちゃま感は出せるでしょう

 

 

それよりも、
歌うことに価値があるので、
あの名曲を素晴らしい歌声で聴けるのであれば、
もう1回観てみたい、と思わせたのではないのかな、
私的には感じます

 

まあやちゃんは、
相手を飲み込んでしまうほどの歌唱力がありますが、
だいもんさんであれば、
全く問題なく、思いっきりエマになれるでしょう

 

作品そのものの評価は変わらなくても、
歌唱力だけで付加価値が生まれるので、
だいきほであれば、
チケット難ではあったでしょうね…

 

とにかく歌いまくりで、
耳が幸せになれる、という理由だけで…

 

1時間半にまとめてショー付きがよかった

この作品は1本物なのですが、
内容としては、
1時間半の作品にして、
ショー付きにしたらよかったように感じます

 

そうすれば、
ショーで月組生の活躍が見れますし、
たまさくも別な魅力も見れたでしょう…

 

この作品で1本物というも、
宝塚歌劇には合わなかったかなぁ

 

『グランドホテル』形式でよかったのです…

 

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『I AM FROM AUSTRIA』って再演するの?するなら歌えるトップコンビ一択!

この作品は、
小川理事長がはりきっていただけに、
セットも大掛かりでしたし、
無理してライブビューイングにもこぎつけてました

 

再演するのかな?

 

もしリサイクル的に再演したいのであれば、
次回は歌えるトップコンビじゃないと、
この演目は難しいと思います

 

だいきほが卒業した後、
その位置にいるトップコンビがいるのかどうか…(^_^;)

 

こっとんは、
ひとみちゃん(舞空瞳さん)が、
さくらちゃん並みの歌唱力は無理なので、
次世代の歌うまトップコンビが誕生した時かなぁ…

 

そういう意味でも、
歌唱力のあるトップコンビは、
絶対に必要ですね…

 

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