月組『応天の門』面白かったが1つだけ残念に思ったこと&『Deep Sea』は若手を上手に起用

月組



本日は(あ、日付は変わっています)、
月組本公演
『応天の門』
『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』の宝塚大劇場の千秋楽でした

 

どうしても事前に見ておきたかったので、
何とか時間を作って(要はお休みw)、
ライブ配信を視聴しました

 

今回は、その感想というか、
ファーストインプレッションを語っておきます

 

恒例のお花渡しはこちらです

月組『応天の門』の退団者7名へのお花渡し…光月るうへのお花渡しは元月娘の夏月都

 

ここからはネタバレもありますし、
あくまでも私的に感じたことになりますので、
そこをご理解のいただいた上でお付き合いください

 

ここから先は、
いつも通りの私のメモなので、
いろんな意見があるんだなぁ、と、
ご理解のいただける方のみ、どうぞ!

 

月組『応天の門』は上手にまとまっていた…久しぶりに田渕大輔グッジョブ!

まずは『応天の門』の作品そのものですが、
とてもよくまとまっていたと思います

 

特に、
田渕先生にありがちな(笑)、
主人公間違い事件はなく、
きちんと、
トップスターであるれいこさん(月城かなとさん)演じる、
菅原道真を主人公に据えてました

 

舞台美術に凝る先生なだけに、
構成と演出もとてもよかったです

 

れいこさんの名前にも入っている「月」が美しかったのも良き

 

ストーリーもとっ散らかることなく、
非常に分かりやすかったと思います

 

難を言えば、
日本の昔の名前にあまり馴染みがないため、
耳慣れがちょっと大変で、
「なんていう名前だっけ?」と思うことはありましたが、
人物設定がはっきりしていたので、
名前が迷子でも全然大丈夫でした

 

「芝居の月組」ですから、
月組生のセリフ回しや滑舌の良さもあり、
セリフもすんなりと入ってきますし、
和の世界観もよく表現できていたと思います

 

和物といえば雪組ですが、
芝居上手な組となった月城月組では、
和物もいける月組という良さを最大限に引き出していたと思います

 

役の宛書もほぼほぼよかったです
新たな一面が見れた生徒さんもおりましたし、
持ち味を最大限に生かされた生徒さんもおられ、
ぐいぐい引き込まれました

 

ただ一点だけもったいなかった…

 

それは主人公である「菅原道真」です
れいこさんそのものではなく、
「菅原道真」という役です

 

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月城かなとの持ち味が下がった感あり…「若き日」の菅原道真だったのがもったいない

実は私、
この作品を事前に予習をしておりました
なので、原作をすでに読んでいる状態なのですが、
それを読んで思っていたのが、
この「菅原道真」をれいこさんか…という点でした

 

上演前に、
よく在原業平の方がれいこさんに似合っている
という声を目にしていましたけど、
れいこさんの持ち味であれば、
確かに在原業平の方がよくお似合いではあるんですよね
恋愛要素もバッチリですし

 

原作のマンガの主人公は「菅原道真」なので、
変更せずそのまま行くことになったのだと思います

 

本日映像で見たれいこ道真ですけど、
やはりちょっと違和感…というか、
もったいないなと感じてしまったのです

 

最初に言っておきますけど、
れいこさんは最大限に素敵でしたし、
相変わらず抜群の演技力だったのは言うまでのないです

 

ただですね、
この「菅原道真」の年齢設定が低すぎるんですよね…
今回のお芝居ではどのぐらいの年齢設定にしているのかはわかりませんけど、
私的には、
ほぼほぼ原作どおりではないのかな、と感じました

 

原作では10代のはず

 

れいこさんの持ち味であれば、
20代まで、25歳以上には引き上げて欲しかったです

 

別に「ぼっちゃん」呼びや、
「吾子」呼びはいいんですけど、
れいこさんから発するぼくちゃん風がとてももったいなかったです
それをちゃんと表現できている月城かなとには脱帽なのですが…

 

これはあくまでも私的に思うことなので、
れいこさんに少年性を求めている層には歓喜の役柄だと思うんです

 

実際に、
れいこさんはちゃんと10代に見えるんですから
それぐらいの凄い演技力と表現力だったのです

 

あの麗しい眼力が封印されているのも寂しい限り…

 

10歳とは言いませんが、
25歳前後くらいまで年齢を引き上げるのは難しかったのかな…

 

たまには恋愛要素はなくてもいいですし、
僕ちゃん扱いされる主人公というのは悪くないのですが、
年齢設定が残念に感じてしまったのです
そこが大変悔やまれました

 

あのポスターのれいこさんが見れると思ったんだよなぁ…
めっちゃ凛々しくて素敵な青年ですもの…(*゚Д゚*)ポッ

 

事前に予習が出来たので、
東京で生観劇をしたら、
「僕ちゃんれいこさん素敵」とか、
「ぼっちゃん道真最高」とか言い出しているかもしれませんが…(^_^;)

 

たまにはこういう趣向が違った役も面白いと思いますし…

 

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海乃美月の真骨頂…昭姫ははまり役!

次はヒロインというか、
女主人の昭姫役の海ちゃん(海乃美月さん)

 

素晴らしい!!!
これぞ海乃美月という感じでした

 

この感動は、
『夢現無双』の吉野太夫以来かも

 

大人な個性を持っている海ちゃんは、
こういう役が非常にハマります
『ブラック・ジャック 危険な賭け』のアイリスもよかったですけど、
ヒロインヒロインしている役よりも、
一本筋があって、
力強く生きている女性を演じるのが本当に上手だと思います

 

または、
薄幸な女性もこれまた上手し…
『THE LAST PARTY』のゼルダや、
『Anna Karenina』アンナ・カレーニナとかも、
海ちゃんの持ち味だと思います

 

小気味よい女主人である昭姫のあの声高で笑う姿は、
海ちゃんならでは!
れいこさんを「ぼっちゃん」呼びする貫禄もまたよし

 

私が読んだところの原作では、
全く恋愛要素はありませんが、
この舞台では、
なんとなく道真が昭姫を気に入っているかのようなエンディングでしたよね
年下攻めな余韻があって、そこもよかったかな

 

最終的には、
昭姫が道真に押されて落ちる…というのも良さそうです
妄想と想像ですが…(^_^;)

 

でもそのぐらいカッコいい女性でしたよね
こういう役を演じさせたら、海ちゃんは独壇場です

 

学年のキャリア的な意味もありますけど、
トップ娘役が型にはまらず、
幅広い女性を演じられるというのは実は大事なことだと思っています
OGになった際、
第二の人生の時に絶対に役立ちますからね

 

海ちゃんは抜群の演技力があるので、
いろんな女性を演じて欲しいです
少女はれいこさん同様に不向きなので、
素敵な大人な女性をどんどん演じて欲しいです

 

生観劇で、
海ちゃん昭姫を堪能しまくりたいです
こういうSっぽい女性好き(笑)(*´艸`)

 

鳳月杏のプレイボーイが良く似合う在原業平&風間柚乃の藤原基経が怖ろしい

次は在原業平役を演じる番手のちなつくん(鳳月杏さん)
こちらもまさにドンピシャな配役でしたね

 

言うことなしです
男性の色気があり、
頭も切れ、
過去には大恋愛も経験…

 

本当にいいとこどりなのが在原業平という役でした

 

ちなつくんも演技力が抜群なので、
どんな役も自分に落とし込みますけど、
こういう役はまさにハマりますよね
色男な役はピッタリ!

 

この役をれいこさんで見たかったという声もわかりますが、
ちなつくんでよかったんだと思います

 

高子との叶わぬ恋も切なかったです

 

そして、
藤原基経を演じたのは、3番手のゆのくん(風間柚乃さん)

 

さすがですね~
怖いというか、
とんでもないサイコパスな基経を見事に演じていたのが、ゆのくん

 

あんな愛らしい年若い姫君・多美子を、
なんの躊躇もなく殺害しようとする冷淡さ…
そのくせ、
吉祥丸との交流の大事な思い出があったり…
このあたりの心の一瞬の揺れを見事に表現されてましたね

 

よく研18と例えられますけど、
これだけ憎々しい役を自然と演じられる確かな演技力は、
もはや天賦の才!
「芝居の月組」は、
トップコンビのれい海に寄るところが大きいですが、
次世代のゆのくんの時代にも引き継がれるのは間違いなし

 

作品の質を最上級に格上げさせるのに、
しっかりと一役買ってました

 

月組の未来は明るい!

 

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礼華はる&彩海せらの1期違いコンビと彩みちる

今回嬉しかったのが、
ぱるくん(礼華はるさん)の成長でしょう
藤原常行役がハマってました

 

やはり芸達者な1期下のあみちゃん(彩海せらさん)が、
月組組替え後に、
大活躍の大抜擢を横目で見ているわけですから、
ぱるくんにも火が付いた感があります

 

私は以前から何度も語ってますけど、
『チェ・ゲバラ』のルイスが鮮明に記憶に残っています
あの役は、おそらく本来はゆのくんが演じる予定だったはず
それがれいこさんの休演で繰り上がりの抜擢になったんだと思うのですが、
当時の原田先生に(おそらくけちょんけちょんに言われて)鍛えられたせいか、
素晴らしかったんですよね…
一番は、いしさん(轟悠さん)に引き上げられた結果なのでしょうけど…

 

そのためポテンシャルはあるはずなので、
いつ開眼するのか楽しみにしていました
『月の燈影』でバウ初主演も決定していますし、
自覚を持って精進し、
それが実を結ぼうとしているのでしょう

 

ぱるくんを脅かす(?)存在のあみちゃんは、
少年らしさ全開の紀長谷雄役でした
あみちゃんの持ち味にピッタリな役でしたので、
とにかく可愛かったです!
文句なしに上手かった!

 

その相棒である白梅役は、
娘2のみちるちゃん(彩みちるさん)
この学年でこの役を演じられる愛らしさは、
さすがみちるちゃん!
とてもキュートで目が釘付けでした
白梅は原作マンガでも抜群に人気のキャラだけに、
みちるちゃんを抜擢して正解だったと思います
本当に可愛かった…

 

他に気になったキャスト

清和帝役には、
今回退団するからんちゃん(千海華蘭さん)
れいこ道真よりもさらに年下の年若い帝なのですが、
本当に少年帝そのものでした

 

からんちゃんのお顔立ちが少年風にもなれるのが、
この役の成功の鍵だったのでしょう
素晴らしい抜擢でしたね
すごく大変だったと思いますが、
少年性と帝である威厳性の両方をバランスよく演じていました
さすがです!

 

同じく今回退団になる、
藤原良房役のるうさん(光月るうさん)
これまた貫禄ある役で、
悪い方側の人間ではありましたが、
凄みがあり、
冷徹になれる政治力をも感じさせる役でした
こちらもお見事!

 

高子役のあましちゃん(天紫珠李さん)
業平との大恋愛があった高貴なお方
背が高いのでそれを長所として、
抜群の存在感が出ていましたね
姫君としてのオーラを感じました
ずっと陰の気がすごかった役なのでしんどそうではありましたが…

 

多美子役のまのんちゃん(花妃舞音さん)は、
さすが次世代のプリンセスという感じです
こういう役は良く似合いますね
ただヒロイン系ばかりではなく、
そこから脱却する役にも巡り合って、
演技力強化をして欲しい逸材ではあります

 

吉祥丸役のるおりあくん(瑠皇りあさん)も、
歌の場面もあり大活躍でしたね
非常に印象に残りました

 

過去組の
うーくん(英かおとさん)、
らんぜちゃん(蘭世惠翔さん)、
ちのちゃん(一乃凜さん)もしっかりと見せ場がありましたね

 

今回の配役はまさに適材適所でした

 

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ショー『Deep Sea』さすが稲葉太地…若手多用で楽しいショーに

お芝居で語ったので、
ショー『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』は簡単に記しておきます

 

ショースターであったありちゃん(暁千星さん)が組替えになり、
ショースター不在の元、
月組のショーはどうしていくのかと思ったときに、
れいこさんは歌で、
海ちゃんがダンスで、
ちなつくんがスター性で、
あとは若手で盛り上げていくしかないということを、
以前語りましたけど、
まさにそんな感じになってましたね

 

私の想像をはるかに超えて、
素晴らしい出来に仕上げたのは、
さすが稲葉先生

 

稲葉先生は、
ダーク系よりも、
華やかで明るいショーの方が実は上手ですよね

 

『パッショネイト宝塚!』
『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』
『Greatest HITS!』
このあたりはすごく良いショーで、
今でも大好きです

 

ここ最近は少し地味な感じのショーが多いイメージで、
ちょっと寂しい感じがしましたが、
一方で、
『Senhor CRUZEIRO(セニョール クルゼイロ)!』
『DANCE OLYMPIA』など、
花組でショー仕立ての作品を作り上げていました
この2作品はとてもいい作品でした

 

中心となるべきものの軸を間違えず、
見せ場が必要なスターにはちゃんと与えてるのが非常に上手な先生ですが、
今回の月組のショーではそれが遺憾なく発揮されていたと感じます

 

若手をどんどん起用して、
全体を華やかに仕上げていて、
見る方はワクワクしました

 

れいこさんも歌を中心に、
体に負担がないような、なおかつ見栄えの良い振り付けを宛がってもらい、
月城かなと中心の見事なショーになっていたと思います

 

これこそ座付き作家!

 

同様に、
ダンスがあまり得意ではないゆのくんも、
カッコよく振り付けられてましたね
ぱるくんもでした

 

こういうのって本当に大事だと思います

 

しかし、
れいこさんにラテンって合うのかなって心配でしたけど、
こうも合うとは!
こういう予想外、大好きです♪

 

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