凪七瑠海だからこそのサリエリだった『ロックオペラ モーツァルト』

星組



本日は、
我が星組の『ロックオペラ モーツァルト』の感想の続きです…

 

前回、前々回の2回に渡り、
ことちゃん(礼真琴さん)と、
作品そのものについて、
そして、ニューヒロイン、
ひとみちゃん(舞空瞳さん)について、
感想を語りました

 

今回は、
サリエリを演じた、
かちゃさん(凪七瑠海さん)の感想です

 

いつも通りの私の感想メモなので、
いろんな意見があるんだなぁ、と、
ご理解のいただける方のみ、どうぞ!

初演と比べ見せ場が霞んだサリエリ

今回、
初演と比べて、
演出と脚本が残念な出来になってしまったがために、
割りを食ってしまったのが、サリエリ役のかちゃさん

 

サリエリは、
本来は、
モーツァルトと対をなす、
非常に重要な役どころで、
メインで見せ場の歌もしっかりある大役です

 

そこは作品自体の大きなマイナスとなり、
ストーリーが、
軽い凡作になってしまったのですが、
とにかく演じ手のジェンヌさんたちが、
欠点をすべて帳消しにしてくださる大活躍!

 

主演のことちゃんは、
パーフェクトなパフォーマンスで、
ことモーツァルトを見るだけで十分価値がある
素晴らしい演目になっていました

 

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演出脚本の難を乗り越えた凪七瑠海

そして、
主役のモーツァルトと同様に、
素晴らしい活躍だったのが、かちゃさん!

 

歌は元々上手い方ですけど、
抜きんでて「歌うま」なイメージではありませんでした
スマートな容姿なので、
線の細さもあり、そこが魅力でもあるのですが、
デメリットになることもありました

 

前作の『蘭陵王』から、
役に深みを持たせ、
歌唱力も格段に良さが出てきて、
まさに脂がのっている状態のかちゃさん

 

今回のサリエリは、
モーツァルトの敵役として、
嫉妬と畏怖にかられる難しい役です
そこには、
単に妬みだけではなく、
モーツァルトの才能を見抜き、
どこかに憧れも持ち合わせている、
という複雑な感情を抱いているわけです

 

今作では、
サリエリのモーツァルトの才能を見抜き、
尊敬を持ちつつ、
だんだんとそれが畏れに変わり、
嫉妬に変貌していくという様が、
すっぽり抜けてましたけど、
それをかちゃさんの実力にゆだね、
見事に表現されてました

 

抜けているので、
感情移入が難しかったのがもったいないですけど、
それは、かちゃさんのせいではなく、
石田昌也先生の演出力のせいでしょう…

 

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オープニングでの存在感と確かな歌唱力

とにかく、
オープンニングのかちゃさんの歌が素晴らしかった…

 

あれが、
全ての始まりで、
あの出来によって、
『ロックオペラ モーツァルト』の作品そのものの、
クオリティがわかるという、とても重要な使命を担ってました

 

鳥肌が立つほどの歌唱力を披露してくださり、
さすがはかちゃさん、の一言!

 

ことモーツァルトとの対になる敵役として、
十分な技量と実力をしっかりと見せてくれました

 

これが非常に大事で、
ここがコケると薄っぺらくなる場面なので、
かちゃさんの役割はとても大きかったです

 

その後は、残念ながら、
1幕はいない人物としてストーリーは進みます(笑)

 

凪七瑠海の真価を発揮した役がサリエリ

2幕からは、
本格的に、
モーツァルトの敵としての役割を発揮します

 

見た目もなかなかのイケメンなサリエリ

 

嫉妬心は心の内に燃え盛っているのに、
己自身を誤魔化すかのような
表面では厳格に接するサリエリ
でも、モーツァルトの才能に憧れもあるサリエリ

 

ことごとく見せつけてくる、
モーツァルトの天賦の才に触れるたびに、
その才能に魅了されつつも、
太刀打ち出来ない才能に、
恐怖と嫉妬がサリエリの中をかき乱すのです

 

モーツァルトの命が持たないと知ると、
駆けつけるほどには、
モーツァルトの才能に惚れ込んでいた、
という部分も大事なところ

 

自分の嫉妬に悩まされることもないという、
安堵感もあったでしょう
そして、
それと同様に、
あの素晴らしい才能に触れることが出来なくなる、
という悲しみもあったでしょう

 

人の持つ両極端な感情を、
かちゃさんは、上手に表現されていました
それぐらいサリエリは難しい役だったと思っています

 

歌唱力だけではなく、
演技力も重要な役ですから、
かちゃさんが適役だったのは言うまでもありません

 

そして、
ことモーツァルトと、
かちゃサリエリの大ナンバーは、
鳥肌が立ちました!
2人だけの歌で、あの迫力が出せたのは、
かちゃさんがサリエリだったからでしょう

 

本当に素晴らしかったです!

 

若くして天に召されたモーツァルトと、
彼の死後、
モーツァルトの才能を感じながら、
生きていかなければならないサリエリ
その2人の対比が、
ラストの余韻に生かされてました

 

もう少し、2人の対比を全面押ししてくれたら、
なおよしだったのですが…
あくまでも、
モーツァルトとその周辺withコンスタンツェ、
というコンセプトが強すぎたので、
そこが心残りでした

 

他のキャスト別感想と一緒の予定でしたが、
あまりに長くなったので、
一旦区切ります

 

次回は、本当にキャスト別感想です

 

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